« 歴史教育 | トップページ | 慰安婦決議と新聞の社説 »

慰安婦決議案から見えてくるもの

米下院外交委員会は26日午後(日本時間27日未明)、いわゆる従軍慰安婦問題をめぐり、日本政府に公式謝罪を求める決議を採択しました。決議に法的拘束力はありませんが、日本政府が1930年代から第2次大戦にかけ、旧日本軍の「性奴隷」とするため若い女性の調達を公式に命じていたと指摘した上で、日本政府に「公式に責任を認め、謝罪し、歴史的な責任を受け入れる」よう要求。日本の首相には、公式な謝罪声明を出すよう求めています。

日本政府は、女性を強制的に性奴隷にしたなどの内容が客観的事実に基づいていないと主張、決議案の撤回や修正を求めていました。安倍首相は、米国の議会のことなのでコメントはしないと述べました。

検証なき証言河野談話を理由に、同議案を以って謝罪要求を受け、また、それをもとにする韓国などによる新たな賠償請求を受ける筋合いにはないと思います。 また、政治家は歴史学者ではないのですから、マスメディアに挑発されて外交問題化させるのは賢明ではありません。米国がイラクに攻め入る決議をしたのはイスラエルロビーの力であることが想像されます。その議会が今度はチャイナロビーの力で日本を非難決議したと捉えることが出来ます。中国は民主主義の弱点を突いて米国の政財界に人脈を築いています。米国には、キッシンジャーのように退官後の対中ビジネスを見据えて媚中外交に走る政治家が多い。独裁国家なら一方的に外国勢力を排除することもできますが、日本や米国のような民主国家では外国からの工作活動に脆いところがあります。日本の場合、防諜機関がありませんからスパイ天国などと言われてますね。結果、中国に弱みを握られて中国の代弁者になり下がっている政治家や官僚が後を絶ちません。大変嘆かわしいことです。中国は、「東風21号」等の核弾頭(すべて水爆)搭載の弾道ミサイル100基以上を、日本の主要都市に向けて照準を合わせているというのに・・・。

従軍慰安婦と拉致問題を並べて考えてみる必要もあります。6カ国協議の進展を見ていますと、日本の主張が「拉致問題の解決なくして北朝鮮を支援できない」という点で一歩も譲らない構えでいることが、米国と中国に厄介視されていることが分かります。米議会調査局の報告書にも「百人を超える元慰安婦の証言を否定することで、日本政府は、北朝鮮が日本国民を誘拐したという主張の信頼性に第三者が疑問を抱きかねない状況に自らを置いている」と述べています。解決の見通しが難しい拉致問題によって、日本から支援金を引き出せない状況が続いたら、6カ国協議は失敗し北朝鮮の核問題は解決されません。これは米国と中国のみならず韓国と北朝鮮など4カ国にとって重大なことです。そこで、従軍慰安婦で日本を貶めておいて拉致を訴えることが出来ないようにする。そんな4カ国の意図が見えてくるのですが。

米国は、やはり先の大戦に関して日本がさまざまな主張を始めたら困るのです。日本に反省し続けてもらわないと、原爆投下や大空襲といった無差別大虐殺が正当化されなくなるからです。その点では中国と韓国が日本を永久に赦さないという反日姿勢を支持していることでしょう。まして、アジアには日本を「白人の植民地支配からアジアを開放してくれた友邦である」と思っている国々があるのですから。今のアメリカ知識人層では現在の日本社会における歴史の見直し作業に対するアレルギー反応が強いということです。

しかし、反米国家が多くなってきた今、米国にとって一番の同盟国である日本にこんな理不尽な決議をして良いものでしょうか? 日本人の多くが嫌米になってしまったら困るのは米国です。日本は米国に気を使って、中共政府と一定の距離を置き、敢えて靖国問題を起こしてまで米国に忠実な態度を示してきた経緯もあるほどです。実際、米国は日中国交回復時の田中角栄総理をロッキード事件で失脚させました。

6カ国協議・・・6カ国って、考えてみますと恐ろしくなります。1945年に、ロシアの傀儡政権である「北朝鮮共和国」を作ったのは、スターリンですね。金正日は、かつてのロシアを真似て拉致事件を起したのかもしれません。シベリア抑留と言われますが、ロシアは1945年8月、日本の将兵105万人を満州や樺太や択捉その他から拉致したわけです。その内52万人だけが帰還することができましたが、53万人を殺害したも同然。ロシアこそ、日本人拉致殺害の先駆けです。しかも、未だに謝罪も賠償もない。

さて、元弁護士で衆議院議員の西村眞悟氏が、今回の従軍慰安婦問題についてご自身のホームページで下記のように述べています。タカ派で過激な発言が多い人ですが、かなり説得力があります(苦笑) アメリカ建国の筋書きなど言い過ぎな点はあります。
衆議院議長の河野洋平には辞職してもらいたいと思いますが、歴史問題は歴史家に任せておけば良いのではないでしょうか。甘いでしょうか?


アメリカ下院における謀略と馬鹿馬鹿しさ
         6月26日 西村眞悟氏のホームページより


アフリカ大陸の地図を見てると、西海岸に「象牙海岸」とか「奴隷海岸」とかいう地名がでてくる。これは、アフリカ大陸から象牙や奴隷を運び出したいわば略奪の歴史に因んだ命名である。
 この奴隷海岸であるが、何ともえげつない名前ではないか。奴隷とは人間のことであり、物や家畜ではない。近世、平和に住んでいたアフリカの住民を白人が襲って捕まえ奴隷として新大陸に売ったのである。古代エジプトやペルシャやローマの昔ではない。近世である。
 彼らはこの海岸から北アメリカ大陸に運ばれ、綿花栽培のプランテーションで家畜同様に働かされた。それで十九世紀のアメリカはイギリスに追いついて行く(南アメリカの方は、スペインやポルトガルが主に現地のインディオを奴隷として酷使したので、アフリカから奴隷を掻っ攫う必要はあまりなかったと思われる)。
 従って現在、アメリカ合衆国にいる黒人の多くは、この奴隷海岸から拉致され運び出された奴隷の末裔である。以前アメリカで視聴者を集めた「ルーツ」というテレビ番組は、アメリカ人の黒人が自分の祖先が奴隷海岸から連れ去られたアフリカ人であったことを付き ヨーロッパで食いはぐれるか生活できなくなった輩が、十六世紀の末からアメリカ大陸に「自由を求めて」渡ったというのがアメリカ建国の筋書きであるが、彼らの自由とは自分達だけのことで、アフリカの黒人を奴隷とし働かせ原住民の土地を奪いながら植民地を広げたのである。つまり、アメリカの建国と植民地拡大の歴史と人種差別は不可分で表裏一体ということである。
 
そして、アメリカの歴史において、リンカーンの奴隷解放宣言が一八六三年に為されたといっても、一九一九年のベルサイユ会議において、我が国が提唱した「人種差別撤廃条項」に一番強烈に反対をして潰したのがアメリカであり、奴隷解放宣言の百年後の一九六〇年代においてもアメリカにおける人種差別は厳然と存在していた。
 中学生の頃、アメリカを訪れた旅行者の土産話を聞いたが、バスに乗ってもトイレに行っても白人と黒人の場所が決められており、日本人である自分はどこの席に座ろうか悩んだと言っていたのを思い出す。
 また、アメリカの黒人選手が陸上競技の表彰台の上で、黒い拳を振り上げて黒人差別を抗議したのは東京オリンピックの次のメキシコオリンピック(一九六八年)であった。つまり、最近である。

 さて、このアメリカ合衆国の下院で、我が国が戦時中の六十二年以上前、二十万人もの「従軍慰安婦」という性奴隷を調達して兵士達による性的暴行を繰り返したことは「二十世紀最大の人権侵害」であるから総理大臣は正式に謝罪せよ、という決議案が採択されようとしている。
 結論から言うならば、この決議案は「事実無根の言いがかり」である。しかも、つい最近の自分のことは棚に上げて、他国つまり日本を事実でないことで非難するという全く馬鹿げた恥ずべきことである。

 そこで、作曲家である「すぎやま こういち」さんやジャーナリストの「桜井よしこ」さんら民間有志が努力され、ワシントン・ポスト誌に「FACTS」つまり「事実」という意見広告を出して、アメリカ下院の決議案は事実に基づかない空論であると警告した(そもそも、このような反論は、在米公館たる日本国大使館が国費で既に行っていなければならないことである)。
 しかし、アメリカ下院は、この決議案を採択する方向であるという。
 そこで、採択されればどうなるかということと、アメリカで何が起っているのかということに関して、コメントしておきたい。

 採択されれば、アメリカ議会のレベルの低さが知れる。同時に、アメリカ議会はアメリカ国民の名誉を著しく毀損する。
 また、この決議に至る経緯を見るならば、
アメリカは他国のロビー活動に動かされているということが明らかになる。即ち、我が国周辺には、我が国は「悪い国」であり自分たちが「よい国」であるとアメリカに思い込んでほしいと願う国が存在し、アメリカ議会はこの他国の工作活動に動かされて恥じをかかされるのである。そして、この工作は、戦前から存在し、日米が手を組むことを嫌がる勢力が日米離反を画策する時に常套手段として用いてきた。
 
 では我が国は、いかに対処するべきか。
 FACTSつまり真実に基づいて一貫して主張し続ければよい。 諦めなければ必ず勝利できる。
 従軍慰安婦であれ南京大虐殺であれ、歴史を捏造して政治の道具にする文明とは決定的に対決しなければならない。そうしないならば、彼らに有利な捏造された歴史が真実とされてしまうからである。
 従って、これは歴史観の回復という戦後からの脱却の課題であるから大いに頑張らねばならない。
 アメリカ下院が、自ら恥を後世に曝してこの我が国の歴史観回復という切っ掛けを作ってくれるのならば、大いに結構である。

 次に、同じ議会としてアメリカ下院の決議に対して、我が国衆議院も決議をすべきであるとは思う。
 まず、アメリカ下院が、遥か昔の事実ではないことで他国を非難するとは友好の信義にもとりケシカラン、我が国のみならず、アメリカ国とアメリカ国民の名誉をも毀損する遺憾なことである、と言う衆議院決議。

 しかし、この決議の大きな障害は、衆議院議長。理由は公知のこと。
 では次の策は何かといえば、昔のことを「むしかえす」という我々に不得意なことをすれば、アメリカに関しても事実に基いて何でも言えるのだ。もっとも、アメリカ下院のマイク・ホンダ議員と同じレベルに降りねばならないが。
 例えば年代順に曰く、
奴隷を働かせたのはケシカラン謝れ、インデアンの土地を奪ったのはケシカラン謝れ、次に、軍艦で脅迫して開国を迫ったのはケシカラン謝れ、さらに二十世紀に入っているのに、ベルサイユ会議における日本の人種差別撤廃案を廃案にしたのはケシカラン謝れ、都市の無差別爆撃、広島と長崎への原爆投下を謝れ、ベトナムでの枯葉剤使用はケシカラン謝れ、ホワイトハウスで自由と正義を吹聴する大統領が若い女性に淫行を強いたのは前代未聞の女性蔑視である謝れ・・・等々、
 いやはや思いつくままに並べてみれば、馬鹿馬鹿しくて決議などできないが、マイク・ホンダ議員のレベルはこの程度だと改めて得心できる。
 思い起こせば、このホンダ議員とは一度顔を合わせたことがある。ワシントンにおける拉致問題の話し合いにちょっと顔を見せに来て笑ってすぐ引き上げた。調子のいい態度だなーと好感は持てなかった。

 つまり、我が国の衆議院においては、アメリカ下院の決議に関して何か対抗の決議をするということにはならないだろう。会期もすぐ終わる。
 しかし、アメリカ下院決議を切っ掛けにして歴史観回復の動きが我が国で粘り強く進み始めれば勝負はつく。この意味で、馬鹿馬鹿しくともアメリカ下院の決議は無意味ではない。
 それと同時に、社会保険庁の怠慢をあげつらうだけではなく、それ以上に深刻な外交上の不作為、つまり我が国の名誉を汚されても反応してこなかった不作為の構造は、これから大いに点検し糾弾されてしかるべきである。

|

« 歴史教育 | トップページ | 慰安婦決議と新聞の社説 »

コリア」カテゴリの記事

ロシア」カテゴリの記事

中国」カテゴリの記事

歴史問題」カテゴリの記事

米国」カテゴリの記事

コメント

こんにちは
年金問題も大切ですが、何と言っても一番大変なのが外交問題。日本人は外国に行かないので、内弁慶的なところがあり、良く言えば内政干渉をしない。
悪く言えば無関心。しかし、日本の立場は年々難しい状況にあることには変わりません。
民主主義の中でのロビー活動、中国とロシアは特に激しいが、ロシアや中国など昔からのロビー活動の方法が良いとは思わないし、時代錯誤の感も否めない。
一連の動きが心配でアメリカの友人に今回の件を尋ねてみると下院採決は対した効力はないと言っていたが、
小さいところから大きなところへと動き出すのが・・・
政治の政。日本も新しい機関・ロビー活動と違った動きを
世界に向けて発信しなくてはいけない。
アメリカの情報機関を乗っ取るくらい直ぐできるので
その辺りからすすめては如何なものかと考える。
そう言う機関ができれば直ぐにでも働きたいが・・。
中国やロシアのロビー活動を暴く、映画をソニーが
撮れば言いと思う。
スピルバーグもミュンヘンではないと思う。
アメリカ、そのものの間違えを反映しているように
思えてならない。

投稿: kju96 | 2007年6月29日 (金) 16時10分

kju96さん、コメントありがとうございます。
そ、そうなんですよね。年金問題は大事ですが、国の安全保障がちゃんとしてないと安心して暮らせないですね。それに、これだけ社保庁が問題になったのですから、もう党派を越えてやるしかないですね。自治労も変わらなくちゃ! 時代錯誤も甚だしいです。

>小さいところから大きなところへと動き出すのが・・・政治の政。
米下院採決・・・ブロッコリーが体に良いから食べようとか決議してますね(笑) 日本のメディアが、特に左翼系のメディアが共犯ですから、過剰に騒いでますね。この調子で、ほかの歴史問題も取り上げて日本バッシングしていくと思います。まさに、声を大にして日本のイメージを悪くしていく・・・無視していた方が賢明なのか、どうでしょう? ただ、おっしゃるように、今後は米国でのロビー活動を怠っては不利になるでしょうね。でも、日本人は英語力でも社交術でも中国人のように上手く出来るのでしょうか? 昔から、中国人は蒋介石のように、米国で中国の立場を有利に持っていくのが上手です。まして、経済大国になってからの日本は、ロビー活動を怠っていたというか油断していたと思います。米国の政府要人たちは現役の時から、退官後を見据えて中国にすり寄っていく人が多いです。米中は想像以上に仲が良いと思います。民主党政権になってからでは遅いですね、すでにロビー活動を活発にしているでしょうか・・・。いつも後手後手になって中国にしてやられてると思うのですが。小沢党主は日米と日中の距離を等間隔にした方が良いと発言するなど、変説! 小沢民主党は、いつから社民党になったのでしょう。

投稿: ミーシャ | 2007年6月30日 (土) 11時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 歴史教育 | トップページ | 慰安婦決議と新聞の社説 »