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国益が絡むと右も左もない米マスコミ

世論調査の結果、福田内閣の支持率は60%近くあり、また自民党の支持率も民主党を上回ってきて、テロ特措法も最近賛成が反対を上回ってきてます。国民は民主党の政権担当能力に疑いを持ち始めています。石破防衛大臣がテレビで日本の石油の中東依存率は90%であると言いました(米国は20%、英国は9%)。その石油が電力をはじめとして日本経済を支え、クルマを自在に走らせています。石破防衛大臣は防衛オタクと言われるだけあって説得力がありますね。インド洋の安定が日本に取って重要で、現にここがテロの海になっていないことが給油活動の成功を意味しています。小沢代表は国民を納得させるだけの代案を出せるのでしょうか?

自衛隊の給油活動を打ち切ろうという民主党・小沢一郎代表に対して、米紙ワシントン・ポストが社説で厳しく非難しました。小沢氏の発言は「反米感情の悪用」、「危険な策略」だと叱責。「安倍首相の辞任は、小沢氏らに対し、反米感情を悪用することが日本の政治において勝利を得るための策略になりうるという危険な信号を送ることになる」と断じてます。

リベラル志向のワシントン・ポストにしては珍しい、というか、国益のためなら右も左もない。節操がない?(笑)  いや、しかし、国益が絡むと右も左もないマスコミというのは良いことではないか。日本も是非そうあってほしい。読売も朝日も、それぞれ米国や中国の意向に従うのではなく、日本の国益のためにペンを執ってほしいものです。マスコミだけでなく、野党も国益のためには挙党一致で外交戦略を立ててこそ、2大政党(政権交替)の不安もなくなるというものです。米国の共和党と民主党には、一朝有事には自国を守ることを優先して決定的な対立を避ける伝統があります。日本はまだ、そこまで社会が成熟してないということでしょうか。

また、海自艦撤退の可能性を13日の英紙フィナンシャル・タイムズは、1面で「武士道ではない。臆病者だ」という見解を伝えました。

ところで、日本郵船の超大型タンカー「TAKASUZU」(高鈴、28万トン)が、ペルシャ湾からはるばるインド洋の波濤を越えて原油を日本に運んでくる時、ペルシャ湾のイラク・バスラ沖で実際にテロ攻撃を受け、間一髪で撃沈をまぬがれていたことがありました。2004年4月24日、多国籍軍の艦艇が、ターミナルに接近中の不審な高速ボート3隻を発見し、銃撃戦に。うち1隻の高速ボートは「高鈴」の手前数百メートルで大爆発。タンカーは船体を銃弾でえぐられ、鉄製ドアが吹き飛ばされただけで済みましたが、この自爆テロで、多国籍軍のうち米海軍兵2人と沿岸警備隊員1人が死亡しました。多国籍軍はこれら海上テロを阻止するために、ペルシャ湾からインド洋にかけ3つの部隊に分けて「テロとの戦い」の任務についているのですね。

ペルシャ湾内には「高鈴」を運航する日本郵船を含め、日本関連のタンカーだけで常時40~50隻がひしめいているそうです! 日本郵船の安全環境グループ長、関根博さんは「多国籍軍が警戒していなければ、とてもバスラ沖には近づけない」と語りました。他方、供給側のイラクは国家予算の90%を石油の輸出に頼っており、これらのターミナルが使えなくなれば国の再建は困難になるのです。海域の安全は、日本など原油の供給を受ける受益国にとっても、供給国のイラクにとっても生命線なのですね。

制約から、ペルシャ湾の「戦闘海域」に海上自衛隊の艦船を出せないため、タンカーを守るのは他国依存にならざるを得ない状況です。テロ特措法がなくなったら、日本のタンカーが無防備になることを覚悟しなくてはなりません。

野党は、「日本の安全に関係ない所への部隊派遣はできない」とテロ特措法延長に反対してますが、関係ないどころか、密接にかかわることを「高鈴」事件が示しています。それとも、石油の不要な暮らしでも考えているのでしょうか。小沢さんは、まず現場を見に行くべきです。

安倍首相辞任 平和・安全保障研究所理事長 西原正
産経新聞 2007/09/20

■小沢代表の国際感覚を疑う

■ユーラシア南西部の変動に注目せよ

 ≪冷戦後の国際変動の中心≫

 12日の安倍総理の突然の辞任表明によって、日本の政治に大きな空白が生じてしまった。当面、インド洋における海上自衛隊の給油給水活動の継続を確実にする道筋が見えなくなっている。しかし、補給活動の継続は「国際公約」でないとしても、国際社会の強い期待である。海上自衛隊の活動は、国際テロ阻止行動の一環であり、その活動を停止することは日本の国際的責任の放棄である。民主党、とくに小沢代表はことの深刻さを認識すべきである。

 冷戦終結後、多くの政府や識者は、国際政治変動の中心舞台は米ソが対峙(たいじ)していたヨーロッパから東アジアに移ったと認識していたが、実際には変動の源泉は中東、南西アジア、それに中央アジア、ロシア南部につづくイスラム教圏であった。湾岸戦争、アルカーイダやタリバン勢力に対する戦争、そしてイラク戦争、ロシア政府にテロ行為を繰り返すチェチェン民族過激派、レバノンでのイスラエル軍とイスラム教過激派武装勢力ヒズボラとの衝突など、冷戦後の主要な軍事衝突はこの地域で起きている。

 この地域では、インドパキスタンの核保有宣言があり、その間、パキスタンのカーン博士による国際的地下ネットワークを通してリビアイラン北朝鮮に核技術が流れた。イランの核技術がイスラム教国にさらに拡散する可能性もある。

 このユーラシア南西地域の安全保障環境はますます悪化して、アフガニスタンイラクなどにおける武力抗争の拡大によって、改善のめどがなんらついていない。広大なイスラム教圏は、テロリストの温床であり、ケシ栽培による世界的な麻薬の供給源(テロリストの主要財源の一つ)であり、世界有数の闇武器市場でもある。

 ≪安全保障環境は悪化傾向≫

 悪いシナリオを描くならば、アフガンとパキスタンの国境が事実上消滅し、タリバンが両地域にまたがる勢力圏を確立し、一種の「タリバン国」を樹立するかもしれない。また最近のパキスタンのムシャラフ政権の失政と腐敗ぶりを見れば、イスラム過激派勢力が政権をとる事態も考慮しておくべきであろう。同国の軍部には上から下まで過激派に同情的な分子が多数いるので、軍部が分裂して、過激派軍部が反米、タリバン支持の政権を樹立することになれば、核兵器を管理下に置くだろう。また最近のバングラデシュに活動拠点をもつイスラム過激派がインドで起こす大規模テロなどは、インドにおけるイスラム過激派のテロがさらに拡大することを示唆している。

 ≪まず給油現場視察して≫

 とくに、日本にとってのシーレーンの重要性からいえば、イランがホルムズ海峡を通過する外国船舶をミサイルなどで脅すことが懸念される。さらに、パキスタンにイスラム過激派政権ができれば、インド洋(とくにオマーン湾)の海上の安全を脅かすかもしれない。

 インド洋アラビア海では、テロ分子、武器、弾薬、麻薬、秘密資金などが小船で移動している。それらはアフガンおよびパキスタンへ流れるものもあれば、逆にそこからアフリカのソマリアなどに流れるものもある。またイランを通してアフガンに流れるものもあるであろう。したがって、海上自衛隊が友邦艦船への給油以外に、周辺海域における不審船情報を友邦艦船に供与することも重要な任務である。民主党は、海上自衛隊がイラク戦争に関与している友邦艦船にも給油をしていると非難するが、給油を受けた友邦艦船にしてみれば、パキスタン経由でアフガンに流れる武器、弾薬、麻薬、テロ分子を取り締まるのが本務だとしても、イラン、イラクの方に航行する不審船をわざわざ見逃すようなことはしない。それを杓子(しゃくし)定規に区別しようとするのは、現場の状況を知らない者のすることである。

 小沢代表は、「テロとの戦い」を高く掲げた安倍総理を辞任に追い込んだわけだが、もし本気で海上自衛隊の活動停止を叫ぶとしたら、その前に、まず現場を見に行くべきである。そしてさらに、ベルギーの北大西洋条約機構(NATO)本部に出向いて、多くの犠牲者をだしてテロリストと戦っている多国籍軍(ISAF、37カ国参加)の代表と話してみるのがよい。小沢氏は、彼らの前で、日本の国益のためにそして国際社会のために、正面切って日本の活動中止を説く勇気があるだろうか。

参考資料・産経新聞【やばいぞ日本】第3部 心棒を欠いている(1)
      ・古森義久さんのページ

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コメント

小澤の口ぶりも微妙に変わっています。今では「党の方針だから」と言っています。つまりぃ、世論は、やっぱり、給油はやるべきという風向きに変わっていますので、結局、党として自民と妥協するのではないかと読んでいます。彼こそは、出し惜しみをして、パパブッシュに認めてもらえず、世界からも無視されて、日本は大恥をかいた、海部俊樹政権の責任者でした。民衆は常に臆病です。目の前しか見ない。しかし、政治は先を読んで動いてもらわないといけません。阿部さんが戦後レジュームをもう一度考えないといけない、と言ったのは、若々しく、初めての新風でした。残念です。

投稿: 山口ももり | 2007年9月29日 (土) 09時41分

ももりさん、コメントありがとうございます。
小沢さん、妥協するでしょうか? 振り上げた拳のおろす場所を探しているかもしれませんが、テロ特措法の延長「反対」は変えないと思います。憲法違反、国連主義を簡単には変えられないのではないでしょうか。細かな点で反対していたわけではありませんからね。ハマコウさんが、「テロ特措法を反対するかぎり、民主党は政権を取れない」と言ってましたが、私もそう思えます。希望的観測? 

投稿: ミーシャ | 2007年9月29日 (土) 20時55分

こんばんわ
また、モルジブでテロが日本人の犠牲者が・・・。
テロ特措法・・・民主党はアメリカとの妥協点を
どのように決着するのか・・見えてこないのですが・・
今度の小沢発言で、アメリカは日本に対する警戒心を
もったのは・・・結果としては良い事だったと思っています。今更NOと言える日本も可笑しな話ですが、
アメリカを揺さぶるなら・・徹底的に遣らないといけないと思いますし、もっと日米同盟を強化するのなら・・
徹底的に強化しないといけないと思います。
結局、小沢は、混乱を起こしただけのような気がします。個人的には、弱くなったアメリカ一辺倒ではだめだと思っています。
日本は大国と言う意識を持って世界中にアジアに貢献するくらいの意気込みが必要です。
日本国民は誇りが大事です。
どんなカタチに変わってもテロ特措法は成立すると思いますが、国際社会に恩を売るくらいでないと駄目だと思います。


投稿: kju96 | 2007年9月30日 (日) 01時46分

kju96さん、コメントありがとうございます。
小沢さんは、石原慎太郎さんに言わせると、米国の言いなりだった政治家だそうですね。今日の毎日新聞には、小沢さんが「政権を担う立場になれば、アフガニスタンでの国際治安支援部隊(ISAF)への参加を実現したい」と語っていることが分かりました。ISAFは治安維持活動を行っており、参加すれば憲法が禁ずる海外での武力行使にあたる可能性が出てきます。小沢氏は国連決議に基づく国連の活動であれば、
海外での武力行使でも憲法に違反しないという立場。党幹部は「小沢代表の持論から言えば、武力行使を含むISAFへの参加は当然だ」と指摘してます。しかし、民主党内には後方支援を検討する声はあったものの、本体参加には慎重意見が大勢ですから、党内から異論が出ることも予想されますよね。そもそも、日本国憲法の第9条は、武力行使への参加を禁じているのですから、集団的自衛権への参加が国連主導によるものかアメリカ主導によるものかなんて関係ないわけで・・・小沢さん、どうしちゃったんでしょう?

投稿: ミーシャ | 2007年10月 4日 (木) 01時19分

しばらくは、コメントも書けなくて申し訳なく思っております。

私も、小沢発言は、アメリカに日本といった国家の意識付けには、効果があった様にも思います。
緊張する世界情勢の中、平和国家である日本の貢献する場でのハードルが高いのは、何か変な事の様にも感じますね。
ただ、諸外国やアメリカでも当てにならないのは、覚悟はしておくべきとも思え、また、中東等でもアメリカや西欧諸国と歩調を合わすばかりではなく、歴史的にも遺恨がない日本は独自の外交が出来るのでは?とも思えます。
サラリーマン的な政治家が多く、新たな観点からの発展的な考えを持つ政治家が望まれますね。


投稿: | 2007年10月 7日 (日) 21時02分

すいません、先程のコメントはSUKIPIOです。

名前を書くのを忘れていました。
大変申し訳、ございませんでした。

投稿: SUKIPIO | 2007年10月 7日 (日) 21時06分

国連軍はイザ危険!!と成ったらサッサと撤退するからいいんでしょうか???小澤さんの理論の矛盾点は、コロコロと意外に簡単に出てくるでしょう。自民党って、本当は実にしたたかにやってきたんです。アメリカなんかより、よっぽど、ずるく・・・なあんて。怒られそうですけど

投稿: 山口ももり | 2007年10月 8日 (月) 05時47分

SUKIPIOさん、コメントありがとうございます。
ネットの世界は実際の世界と違いますから、パソコンの前に座れる時に楽しめば良いと思います。私も今月から就職してしまいました。ネットタイムが少なくなって、土日・祝日ぐらいしか、ゆっくりできなくなりました。
やはり、冷戦後は日本にとって不利なことが多くなりました。資源もなく核も無い日本は、大国の核の傘の下で上手く生き延びなくてはなりませんね。おっしゃるように、日本は独自の外交が出来る反面、その外交が大変下手な国でもあります。戦後は特にそうですね。その辺りが不安になります。

投稿: ミーシャ | 2007年10月 8日 (月) 11時58分

ももりさん、コメントありがとうございます。
>アメリカなんかより、よっぽど、ずるく・・・
確かに、ゴルバチョフとレーガンも何かの対談の折に、冷戦で一番成功し得をしたのは日本だとか言ったそうです(笑) 次に得をしたというか、冷戦を言い続けて演出した英国も大したものです。冷戦後の今、英国も日本も正念場ですね。ただ、日本は日本人の中に日本を貶め中国に従属したい媚中派と、親米派がいますね。日本独自の道を歩もうとするのが困難なため、どうしても寄らば大樹の元になるのでしょうが、北朝鮮だってしたたかに外交してます。中国もインドも然り。日本はもっともっと、したたかにしなやかに外交する術を学ばなければ沈んでしまいそうですね。小沢さんも反米の意気込みはわかりますが、中国に擦り寄り過ぎて危険ですね。少数ですが、自民党の保守派に期待したい。

投稿: ミーシャ | 2007年10月 8日 (月) 12時21分

大衆というものは臆病で、戦争という言葉だけで恐れおののいて反対します。自衛隊をイラクへ派遣する時は民主は、安全が保障できるかとしつこく食い下がっていました。今では、ISAFに、参加させたいとはっきり打ち出したようですね。党内の旧左寄りや、国民は、この事実をどう考えるのでしょうか。いよいよ、逃げないで、論争すべきです。
 フルタイムで、お仕事。大変ですね。お父さんも病院だとか・・・でも、お仕事とはうらやましい。なんと言ったってお若い。どうぞ、日本の国論を、正してください。

投稿: 山口ももり | 2007年10月 9日 (火) 08時25分

ももりさん、コメントありがとうございます。
福田総理の親戚に毎日新聞の会長がいます。それでかしら? やっと今頃、小沢党首の政治資金問題をトップで取り上げました。次いで、テレ朝のサンデープロジェクト、ナベツネ読売、時事通信とみんなで取り上げてます。ついでに、朝鮮総連絡みの民主党議員献金疑惑もやってほしいですね。渡辺恒三氏だって最高顧問なんて名誉職を辞めればすむ問題ではないですね。他党の「政治と金」を責める資格がありません。ISAF参加は党内を二分するのではないでしょうか。でも、小沢党首は独裁者然としてますからね。どうなることやら。左翼新聞も反対でしょうね。田原総一郎さんが民主党のことを、すぐ解散しないと政権奪取は出来ないと言い、それは小沢党首が一番よく知っていると。テロ特措法でも年金問題でも、自民党の案の方が正しいとも言ってます。そろそろ民主党はリベラル派から呆れられ始めた?ちょうど今やってるドラマで、仕事してるのが一番の幸せの条件とか何とか言ってます(笑) 父の病気は落ち着きました。ありがとうございます。

投稿: ミーシャ | 2007年10月10日 (水) 22時27分

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