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2009年1月の3件の投稿

日米安保条約50周年を前に

米国の金融立国における中心的存在であった投資銀行。リーマンブラザースは破綻し、ベアスターンズやメリルリンチは吸収合併され、ゴールドマンサックスやモルガンスタンレーは商業銀行への転換を余儀なくされました。米中経済同盟を進めてきたのも投資銀行でした。米国は一方で、日本に多くの規制の緩和や改革を要求してきました。しかし、米国は金融立国で恒久的な繁栄を維持するという戦略がダメになり、同時に夢の米中経済同盟も破綻の兆し。やはり、日米関係は重要になってきました。

米国が民主党政権なったら日本バッシングが始まると言われてきましたが、金融破綻が米国経済と米中関係に暗い影を落とし、どうやらその懸念はなくなってきたのでしょうか? オバマ米次期政権は、次の駐日大使に元国防次官補で現在ハーバード大学教授のジョセフ・ナイ氏(71)を起用する方針を固めました。政権発足前に駐日大使の人選が行われるのは異例で、オバマ政権の対日関係重視の表れと見られています。このナイ氏はクリントン政権で国防次官補をつとめ、96年の日米安保のいわゆる「再定義」を担当。ブッシュ政権が誕生する直前と今回の大統領選を前と2度にわたり、アーミテージ元国務副長官とともに対日同盟政策の包括的な戦略文書「アーミテージ・ナイ・リポート」をまとめるなど日米関係に深くかかわってきた人だそうです。

また、 国務省の東アジア・太平洋担当次官補にカート・キャンベル元国防次官補代理が、国防総省のアジア・太平洋担当次官補にウォレス(チップ)・グレッグソン退役海兵隊中将がそれぞれ起用される見通し。キャンベル氏は、ナイ氏のもとで国防次官補代理を務めた民主党きっての知日派。グレッグソン氏はキャンベル氏とともに、国防総省でアジア太平洋地域を担当し、その後、沖縄で第3海兵遠征軍の司令官や4軍調整官を歴任した人。

この布陣は、日本に圧力をかけて米国経済を助けさせようというオバマ新大統領の期待の現われでもあるわけで、「7日に実施された3年物の米国債入札では、特に海外の投資家を中心に需要が衰える兆しが見られ、米国債市場のバブルが崩壊しかねないとの懸念が高まった。実際に米国債市場が崩壊すれば、世界経済に深刻な影響をもたらす恐れもある。」とニューヨーク・ロイター(7日)が伝えています。しかし、ドイツやイギリスも大量の国債発行が行なわれていますが、ドイツでは三分の一が売れ残ってしまい、イギリスも大量の国債発行が控えています。こういう状況下で、大量に発行される米国債を買うのは誰でしょう? 米政府は金融システムや自動車業界の救済に必要な資金を調達するため、今年は2兆ドルも国債を発行するらしい。イギリスは、ドイツを追い抜いて先進国一の借金王になると言われていていますね。非常事態になれば円建てで米国債が発行されるようになるのか。円建てで米国債が発行されれば円売りドル買いが発生し、日本にとっても円高対策になりますが・・・。

オバマ外交、日米深化 外交・安保顧問が共同論文
asahi.com 2008年6月28日

米大統領選で民主党の候補者指名を確実にしたオバマ上院議員の外交・安保顧問、リチャード・ダンズィグ元海軍長官とジョセフ・ナイ・ハーバード大教授が連名で、オバマ氏の日米関係に関する考えをまとめた論文「オバマ氏と日米関係」を朝日新聞に寄稿した。全文の日本語訳は次の通り。
     ◇  
各種世論調査によると、諸外国から見た米国の魅力は(ブッシュ政権下の)過去8年を通じて衰えた。バラク・オバマ上院議員を大統領に選ぶ以外に我々のイメージを再生する手だてはない。我々が彼に対する支持を決めるに当たり、アジアや日本への姿勢は重要な判断材料だった。このほかにも、ある人物が良い米国大統領になるかどうかを評価する要素は数多くあるものの、過去60年にわたって発展してきた日米関係を理解し、肯定的に見る人でなければ、支持することは考えられない。

 昨年11月、福田首相の訪米の際にオバマ氏が指摘した通り、共通の価値観や利益に基づく日米同盟は死活的に重要だ。アジア太平洋地域での米国外交の礎石であり続ける。2010年は日米安保条約の調印から50周年を迎え、第2次大戦後の国際関係で最大の成功の一例を際だたせることになる。今こそ二国間の協力、協調の伝統に新たなエネルギーや独創力を吹き込む時だ。

  日米両国は過去10年以上にわたり、軍事同盟関係をアジアなどでの安全保障面での変化に対応するよう変革させてきた。「周辺事態」の際の役割や任務を示した日米防衛協力のための指針(ガイドライン)を見直し、危機管理や軍事作戦の統合を進めてきた。両国は持続的な安保協力関係を築くため努力を続ける。

 しかし、両国の協力関係はこれまでもそうであったように、今後も単なる二国間の安保協定を超えるものでなければならない。オバマ氏は両国の協力関係をより深化、広範化させる構想を持っている。イラク政策の誤りや対テロ戦の失敗で、米国の影響力やイメージに傷がついたことは懸念材料だ。そのダメージと戦略面での漂流は、アジア太平洋にも波及した。

 双方の強みを合わせて、ともに協力しあうことで、日本と米国はさまざまな課題を解決する新たなリーダーシップを作り上げることができる。それはエネルギー効率を高めることから、環境の保護、世界の最貧国の経済開発、さらには東アジア地域の平和と安全の強化にまで及ぶものだ。

 今や日本は、外交・政治両面で極めて重要な役割を担っている。6者協議では、北朝鮮に対して核兵器計画の完全でかつ透明性をもった放棄と、核不拡散条約や国際原子力機関(IAEA)の監視下への復帰を求める努力を支えてきた。拉致問題の解決を迫り、より大きな地域の平和をめざす枠組みに参加するよう説得もしている。核問題解決のために6者協議を活用しようという日米双方の努力は、北朝鮮に対して、核兵器を作るに十分なプルトニウムの備蓄や核実験、ミサイル実験の再開を許すといった米政府の一貫性に欠ける政策で損なわれてきた。日米はより密接に協議し、アメとムチを正しく使い分けながら強い態度で北朝鮮と直接対話をして、6者協議が取り上げているすべての問題を解決し、(ブッシュ政権が誕生した)2001年から始まった後退が今後も続くことを食い止めなければならない。

 平和維持活動への貢献や人道危機への対応をめぐる日本の指導力は最近、中国で発揮された。四川大地震の被災地にいち早く到着したのは日本の国際緊急援助隊だった。04年12月のインド洋津波でも同様の貴重な支援を行い、その後、地域警報システムの導入にも力を貸した。

 新聞各紙が気候変動の危険性を連日報じるなか、環境問題で重要な指導的役割を果たすことも日本の新たな地球規模の役割だ。京都議定書は気候変動対策の歴史的第一歩だったが道はまだ遠い。国際社会はエネルギー効率や新エネルギー技術の開発で日本から学べる。米国は日本とのエネルギー分野での関係を強化し、温室効果ガスの排出が減ったより安全な未来に向けて、ともに世界を引っ張っていくこともできる。

 アフガニスタンでの米軍の作戦行動に対する自衛隊の支援や、同国の生活基盤再建に向けた開発資金集めで示された日本の指導力に、オバマ氏は米国民とともに感謝の意を表明した。アフガンはいまだ対テロ戦の最前線であり、我々の任務はまだまだ終わっていない。日米両国が手を携え、アルカイダを駆逐するための努力を倍加させることが重要だ。  両国は協力関係を強化して、鳥インフルエンザなど感染症の爆発的流行をはじめとする国境を超えた新たな問題に対応し、急を要するアフリカへの開発援助を先導しなければならない。そうした分野での日本の指導的役割は、国際社会で果たす責任に見合った形で認知されなければならない。

 米国は、日本が堅調な経済成長を遂げることに死活的な利益を持っている。世界第2の経済大国として、日本の経済的な成功は日本国民だけでなく、米国を含む主なパートナー国の繁栄や健全な世界経済にとっても重要だ。

 近年日本は、外国からの投資に門戸をより大きく開くとともに、過剰な政府の規制を撤廃することで経済活性化に向けた重要な前進を遂げた。日米両国は経済協力関係を一層強化することによって、ともに利益を享受することができる。

 両国はいずれも、同盟関係が長年続いているからといって当然視してはならない。オバマ氏は両国がより強力で持続的な地球規模の安保関係を築くよう求めている。両国だけでなく地域や世界の各国に、過去50年と同等かさらなる利益をもたらす関係の構築に、日米両国は強い関心を持っている。アジア太平洋地域での新たな枠組みが、両国にとって重要な利益や価値観を守り、発展させていくよう緊密に協力する必要もある。オバマ氏は昨秋、アジアの国際的枠組みの構築をめぐる議論の中で、「米国は信頼度が高く、地域と地域的枠組みに関与するパートナーであるべきだ」と述べた。「地域安定のための基盤」という日米同盟の中心的な役割を減じることなく、新たな枠組みや対話をする関係を生み出すことは可能だ。それは日本の外交が示している。

 活力ある経済や強力な軍事力、さらに政治的影響力の増大で、東アジアは今、世界で最も活力ある地域となっている。大量破壊兵器の拡散防止や世界経済の強化、気候変動への取り組み、地球規模の流行病対策など、押し寄せる諸問題の解決にはアジア諸国の積極的な参加が不可欠だ。日本との密接な協力は、アジアにおける米国のすべての政策や利益のまさに出発点なのだ。
     ◇  
〈リチャード・ダンズィグ氏〉米有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)フェロー。98~01年にクリントン政権下で海軍長官を務めた。  〈ジョセフ・ナイ氏〉米ハーバード大特別功労教授。クリントン政権で国防次官補などを務め、95~96年の日米安保再定義を手がけた。

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中国が合意に違反して盗掘

先月、福岡県太宰府市で、中国の温家宝首相、韓国の李明博大統領と3カ国首脳会談を行い、世界的な経済危機の克服に向けて3カ国が共同対処する方針で合意し、連携強化へ3つの共同声明などに署名したばかりですが、中国というのは信用出来ない国ですね。新生中国とか民主化とか中国に期待する向きも見られますが、本質は変わっていないようです。 中国は東シナ海のガス田問題で、合意違反をしたのです。勝手に掘削を行っていたことが分かったそうです。しかも、昨年6月に合意した直後(7月)に違反して掘削し、日本の抗議も無視して生産段階に入った可能性が高いと。両国の了解事項として、樫、楠、翌檜は「共同開発をできるだけ早く実現するため、継続して協議を行う」と明記されましたが、合意後、協議は一度も開かれていませんね。「(北京五輪で)大変だろうし、その話は無理せずにやっていただいていいから」と述べた福田前首相。自ら詰めの協議の、五輪閉会後への先送りを提案していました。人がよいのか、政治家に不向きなのか、中国の国益第一なのか。 さらに、中国側はP3Cの警戒監視飛行を「妨害行為」などと逆抗議してきているとは、日本は完全になめられていますね。中国は、安倍政権・福田政権と常に「友好」をピーアールしてきましたが、あれはやっぱり見せかけの友好だったということです。 日本政府は今後、どのような方針で、日本の主権と権益を確保するのでしょうか。この際、中国側の抗議や恫喝を無視して、日本は試掘したらよいと思います。埋蔵量を正確に把握しましょう。

中国、合意破りガス田掘削 東シナ海の「樫」
産経ニュース 1月4日

東シナ海のガス田問題で、日中両政府が平成20年6月に共同開発で合意した直後、中国が継続協議の対象となり現状を維持すべき「樫(かし)(中国名・天外天)」で新たに掘削を行っていたことが3日、分かった。明確な合意違反で日本側は抗議したが、中国側は樫での掘削を終え、生産段階に入った可能性が高い。主権と権益確保に向け、日本政府が対処方針の見直しを迫られるのは必至だ。  樫ではこれまでにも構築物(プラットホーム)から炎が出ているのが確認されていたが、日中合意後、共同開発の協議対象である4カ所のガス田で、中国側の不当な単独開発が明らかになったのは初めて。  日中両政府は20年6月、ガス田問題で合意。「翌檜(あすなろ)(同・龍井)」付近での共同開発と「白樺(しらかば)(同・春暁)」で日本の出資が決まった。樫と翌檜の本体、「楠(くすのき)(同・断橋)」は共同開発の合意に至らず、継続協議の扱いになり、両国には現状維持が求められる。  この合意直後の7月上旬ごろ、樫のプラットホーム周辺の海域が茶色く濁っているのを、海上自衛隊のP3C哨戒機が確認した。その後、変色した海域が拡大したり、海面が激しく泡立ったりしたのも把握。防衛省はこれらの情報を外務省や資源エネルギー庁に連絡した。  同庁によると、海域の変色は海底掘削で汚泥が出たためとみられる。海面が泡立った原因は、プラットホーム上の発電機の冷却水が高温だったか、掘削用の機材などの熱源が海水に触れたことが挙げられる。  6月ごろ、樫のプラットホームに多数の長いパイプが置かれていたことも判明。10月にはパイプは撤去され、ボートに積み込まれたのも確認された。パイプは掘削用ドリルを通すために使われたとみられる。  時系列でみると、中国は7月ごろパイプやドリルを使い、樫で掘削を開始。掘削は最短で1カ月程度で終わるとされ、パイプが撤去されたことで、掘削を終え、石油と天然ガスの採掘に入ったとの見方が強い。  樫は白樺、平湖(中国名)とともに、石油などを中国本土に送るパイプラインでつながっている。樫では17年以降、プラットホームの煙突から炎が出ているのも確認されている。  ただ、パイプが撤去された前後から、樫の煙突から出る炎は大きくなり、色も薄い黄からオレンジに変わった。日本側はこの変化について、以前は平湖などからパイプラインで輸送され、濾過(ろか)された石油などを燃焼させていたが、樫で直接吸い上げたものを燃焼させ始めた兆候と分析している。  日本政府内には「中国側は継続協議の対象になった樫などの単独開発に固執しており、一方的に開発を進めていくとの懸念が現実化した」との指摘がある。  日本政府は、樫での掘削が日中合意に反するとして中国側に抗議したが、中国側はP3Cの警戒監視飛行を「妨害行為」などと逆抗議してきている。

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我が国は「技術立国・経済大国・文化強国」

日本経済に暗雲が漂ったまま2008年が終わり、2009年が幕を開けました。米国のサブプライムとリーマン・ショックから始まり、トヨタとソニー・ショック。この大不況は米国で数年から5年、日本は10年という経済学者さえいるほど脱出が難しいものであるらしい。年が明けても経済ニュースが気にかかる1年になりそうですね。

産経新聞の【正論】には、興味深い内容の記事が多い。テレビのニュースなどでは知り得ない情報もよく見受けられます。保守的な言論人が、あまりテレビに出演していないということもあるでしょう。一つの言葉を大合唱するテレビは、世論を誘導する。テレビとは異なる見解を持つことは不道徳であるみたいな風潮をつくる。これは韓国ほどではありませんが、言論の自由を奪いつつあるような危惧を覚えます。親日派子孫の財産を没収をする韓国では、親日派は社会から抹殺されるそうですが、人権擁護法案が成立したら韓国同様、何も言えない恐ろしい国家になりそうな気がします。何も言えないとは、普通の人々が政府見解とは異なることを言ったら、という意味です。

マスコミがまことしやかに流し続ける言葉が「本当に正しいのか」と、今一度考えてみることが大事です。「河野談話」は韓国の執拗な暴言に負けた談話であり、「村山談話」はろくに審議もされずに閣議決定した社会党の首相の感想に過ぎません。二つの談話はいつまでもを政府見解だと金科玉条のごとく大事にするようなものではなく、見直すべき談話。中国と朝鮮半島だけがアジアだと言わんばかりの言論には要注意なのです。日本の慰安婦や戦争責任を現在の尺度で、しかも日本のみを批判・攻撃してくる中国や韓国政府に同調するのは間違い。今の価値観で過去を断罪するのは、正当なことではありません。

日本の安全保障に関するマスコミ的論調も矛盾が多過ぎて破綻しています。自衛隊の制服組を何かと危険視しますね。自衛隊は戦争をしたい組織だなどと平気で言う。では、自衛隊も要らない、米軍基地も要らないと言う人は、警察も要らないということになります。その覚悟があるのでしょうかね。日米同盟を否定する人は、どのような国防を考えているのでしょう。国防も必要ないらしい。「殺すより殺される方が良い」というのは耳に心地良いものです。性善説なのか、正当防衛も認めないのか、非暴力を訴えたいのか・・・個人の意見ならご自由に。勝手に殺されればよい。しかし、国策としては非現実的過ぎて日本を悲惨な方向へとミスリードするものです。国際社会は、相手の善意に期待するような性善説が通るような場ではありません。武力があるから戦争になるんだというのはウソです。中国や韓国・北朝鮮、米国、ロシア、EU、中東などを非武装にして、初めて成り立つ非武装論。日本のように悠久の歴史があり、経済力があり、独特の優秀な技術と文化のある国が、一国だけ非武装で存在したら平和どころか戦争を誘発してしまいます。

日本と日本人は、美味しいのです。鎌倉幕府といい、明治維新といい、世界に誇れる革命を起こし、白人帝国主義に犯されず植民地支配を免れ、技術立国・経済大国・文化強国となりました。日本の歴史と伝統に誇りを持ちましょう。そして、安易に「1000万人移民受け入れ」とか、民主党が提案する「人権擁護法案」「外国人参政権付与」「(沖縄県)一国二制度」「国家主権を外国に移譲する」など、日本と日本人をぶっ壊すような政策には反対しましょう。

先の大戦を、ジャーナリストの松井やよりのように「負けると分かっていた戦争を始めたのは悪い」と批判するのは簡単です。後出しジャンケンで当時の状況を一方的に断罪するのは簡単です。世論を利用して戦争を煽っていたマスコミと学者、弱腰外交をする政府高官が世論に更迭された時代、それでも当時の日本にいて、時代の勢いに飲まれないという自信があるのか。今の価値観で過去を断罪するのは、正当なことではありません。

【正論】京都大学名誉教授・加藤尚武 金融危機に“渋沢精神”を思う
産経ニュース 2008.12.26

日本に金融という概念を導入したのは渋沢栄一である。企業人として奇跡的ともいえる成功を収めた。500以上の会社を設立し、ほとんどすべてを軌道に乗せた。<span style="color:#990000">「銀行」という言葉も、フランスの制度を見てきた渋沢の工夫で作られた。</span>多くの人が蓄えたお金を集めて、その持ち主よりも有効に使ってもらえる人に預けたら、経済が繁栄すると、彼は考えたが、そこに実質経済と金融とのバランスが必要という視点を忘れることはなかった。

 ≪国民の気持ちをまとめる≫

 彼が「利殖と仁義道徳とは一致するものである」と説いた書物は『論語と算盤(そろばん)』(昭和2年)という。儒教思想の修身(個人道徳の完成)、斉家(家族の和解)、治国(国内の平和)、平天下(世界平和)という枠組みが、彼の人生観をしっかりと支えていたことが分かる。家族と国家の間では、官僚以上に経済人の役割が重要だといくたびも説いた。





【正論】三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、多摩大学教授 中谷巌
産経ニュース 2008.12.22

1930年代の大恐慌の際、フランクリン・ルーズベルト大統領は不退転の決意でニューディール政策を発動したが、効果はまるでなかったというのが定説である。大恐慌を克服する決め手になったのは、第二次世界大戦勃発(ぼっぱつ)による膨大な軍需の発生であった。





【正論】筑波大学大学院教授・古田博司 増殖する韓国の「自尊史観」
産経ニュース 2008.12.17

振り返れば韓国の歴史教科書もはじめからナショナリズム一辺倒であったわけではない。初期には、日清戦争で「日本の勝利となり、下関条約が結ばれ朝鮮の独立が認められた」(★佐鎬『中等世界史』英志文化社、1959年)とか、朝鮮は清の「半属国」だった(金聲近『高等世界史』高等学校2・3学年用、教友社、1962年)とか、平然と言っていた。
 日本が強制的に保護条約を押しつけたと居直るのは、70年代の中頃からのことで、朴正煕政権の後半、力量を持った民族ではなかったことが被植民地支配の原因だったと、ひそかに反省し始めたときであった。

 ≪利権あさる一部マスコミ≫

 ところが、82年6月26日に日本のマスコミが、教科書検定で日本の中国への「侵略」が「進出」に書き換えられたという誤報を行った。日本ではちょうど検定制度をめぐって政府と日教組が大揉(も)めだったときだ。

 中国・韓国からのはげしい抗議が始まり、結果として近隣諸国条項(1982年11月24日、教科用図書検定基準)が設けられ、その影響で文部省の第6期学習指導要領(1989年告示)で、「とくに朝鮮については我が国と深いかかわりがあり、従前よりもさらに重視するようにする」という但(ただ)し書きがついてしまった。

 反省の機会を失った韓国の歴史教科書は、日本の自虐史観に反比例するように、どんどんと自尊的になり、「しかし日本は帝国主義列強よりもさらに残忍にアジア各国を蹂躙(じゅうりん)し、20世紀の歴史を悲劇で飾った第二次世界大戦を起こした。このような悲劇は日本の朝鮮強占ではじまり、これは隣の国との友好関係を破壊したところにその原因がある」(申チェシク・洪ソンピョ『高等学校世界史』ポヂンヂェ、1990年)とまで、歴史の歪曲(わいきょく)を行うようになっていったのである。

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