カテゴリー「アフリカ」の2件の記事

アフリカでの中国人襲撃事件

昨年、中国とアフリカ諸国48カ国首脳による「中国アフリカ協力フォーラム首脳会議(サミット)」が北京で開かれましたが、参加国にはスーダン、ジンバブエなど、集団虐殺といった深刻な人権を抱えている独裁国家も多く見られました。国際社会は、中国当局が資源を狙ってアフリカを援助するのは「新植民地主義」との批判的な見方が多かったようです。

ユニセフ親善大使である米国の女優ミア・ファローさんが、スーダン西部ダルフール地方で現在進行中の民族浄化(スーダン政府が支持するジャンジャウィードと呼ばれるアラブ系民族民兵が、地域の黒人住民を迫害し虐殺)を懸念し、そのスーダンから原油の大半を購入している中国を批判しました。北京五輪を「大虐殺の五輪」と呼びました。

アフリカだけでなく、アフガニスタンやイラクでも中国人労働者が殺害されたり誘拐されたりしている現状に、利益のみを追求した露骨な中京のやり方が今後も問題視されることは間違いありません。

エチオピアの油田襲撃 “新植民地主義”に反発
産経デジタルのニュース・ブログポータルサイト イザ 2007.4.26

中国のメディアはエチオピア東部で起きた事件の原因を「身代金目的」「部族対立に巻き込まれた」などと分析している。ただ近年アフリカを中心に中国人襲撃事件が頻発。その背景には中国政府が資源や市場を求め、ビジネスマンや労働者を同じ場所やプロジェクトに大量に送り込むという、なりふり構わぬ進出ぶりに対する現地の不満があるようだ。

 中国人襲撃事件が多い国の1つは南アフリカだ。国営新華社通信などによると今年4月までの3年間、同国で殺害された中国人は約40人。安価な中国製品の大量流入で多くの地場産業が打撃を受け、倒産やリストラで失業した労働者らが「中国商人は出て行け」と大規模なデモを頻繁に行うなど、反中感情は根強い。それに加え、中国人は欧米人と比べ銀行を利用せず、多額の現金を持ち歩くことが多いことから、現地の武装勢力による誘拐、強盗のターゲットになりやすいといわれる。

 ナイジェリアでは、今年に入って3回も中国人技術者らが誘拐される事件が起きた。中国メディアは「石油資源で得た利益を人民に還元しない地元政府の腐敗に対する貧しい人々の怒りが、石油産業で働く中国人に向けられた」との中国人学者の分析を紹介した。

 2006年2月、英国のストロー外相(当時)がナイジェリアを訪れた際、「中国が今日アフリカで行っていることの大半は、英国が150年前に行ってきたことだ」と中国が植民地化を進めていると批判した。これに対し、中国側はメディアなどが「(英国と違い)奴隷の売買をしていない」と猛反撃した。

 ただ、利益のみを追求し、自国の労働者を危険な地域に派遣する中国政府系企業の姿勢に対する批判は根強い。実際、04年6月、アフガニスタンでは出稼ぎに来ていた中国人労働者11人が殺害され、05年8月にはイラクで同じく8人が誘拐(後に釈放)された。


なぜ今アフリカで反中感情が…?

朝鮮日報 2007.4.25

今月3日、ザンビアの首都ルサカの空港に到着した中国の胡錦濤国家主席は、現地の人々約2000人からの歓迎を受けた。しかし、空港から市内に至る道には武装警察数千人、ザンビア大学内には学生デモを阻止するための警察数百人が配備されていた。また野党「愛国戦線」のマイケル・サタ総裁は2日間、胡錦濤主席の訪問先に接近することを禁じられている。

 それもアフリカ大陸で最も早い1965年に中国と国交を結んだザンビアで「反中感情」が膨らんでいるからだ。確執の根は98年、北部シャンビシ経済特区内の銅鉱山を買い取った中国人が、現地人の労働組合設立を弾圧し、わずかな給料しか与えないという横暴を極めていることにある。

 昨年7月には中国人の賃金未払いで労働者のデモが起き、これを制圧する際に中国人監督官が労働者らに発砲、46人が死亡した。元労働者のアルバート・ウムワナウモさんは「中国人は私たちを人間扱いしない。彼らは私たちを支配できる権利を持っているかのように振舞う」と非難した。

 昨秋の大統領選に出馬したサタ氏は「ザンビアは中国の1つの省に転落しつつある。私たちは非民主的な外国の存在を望んでいない」と露骨な中国追放論を主張、28%の支持を得た。同氏は、首都ルサカでは対立候補だったレヴィー・ムワナワサ現大統領の3倍の票を得た。

 こうしたムードはナミビア・ジンバブエ・南アフリカ共和国・アンゴラなどにも広がっている。低価格の中国製品で就職先を失った南アフリカ労働組合会議(COSATU)のメンバーたちは、2005年12月の集会で自国の繊維産業を衰退させたことに抗議する意味で「メード・イン・チャイナ」と書かれた赤いTシャツを引き裂いた。

 今年、ナイジェリア武装集団が中国人労働者を狙い拉致事件を起こしたのも、反中感情と関係があるものとみられている。これは中国がアフリカの天然資源を奪い、低価格で製品を作り、現地の産業を衰退させていることから、「中国も欧米諸国とまったく同じ略奪者だ」という認識が拡大しているためだ。

 スウェーデンにある「ダグ・ハンマーシュルト財団」を率いるヘニング・メルバー氏は「アフリカ人たちは中国に対し人種差別主義への怒りにも似た強い憤りを表している」と語った。

中国慌ててスーダンに特使 スピルバーグ氏らの懸念で
ニューヨーク4月13日共同

石油資源確保を目的にダルフール紛争を抱えるスーダンに肩入れする中国の外交方針に対し、来年開かれる北京五輪の芸術顧問を務める米映画監督スティーブン・スピルバーグ氏が懸念を表明、スーダンへの中国の特使派遣につながっていたことが分かった。十三日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。

 きっかけは、国連児童基金(ユニセフ)の親善大使を務める女優ミア・ファローさんの三月二十八日付ウォールストリート・ジャーナル紙への寄稿。中国はスーダンの原油の大半を購入しており、その代金が紛争に使われているなどと指摘して北京五輪を「大虐殺の五輪」と呼び、スピルバーグ氏をナチス時代のドイツ人映画監督になぞらえて批判した。

 寄稿の四日後、同氏は中国の胡錦濤国家主席に手紙を送り、ダルフールの住民虐殺に懸念を表明し、中国がスーダン政府に対し適切な措置をとるよう要請。中国は直後、スーダンに特使として外務次官補を派遣し、難民キャンプまで視察させる異例の対応を取った。

 スーダンに対する中国外交については、資源獲得を優先してダルフール紛争を軽視しているとの欧米からの批判がある。ニューヨーク・タイムズ紙は、今回の出来事が、中国が国を挙げて取り組む「五輪にダルフール紛争をうまく絡めたことによる驚くべき成功」との非政府組織(NGO)の見方を紹介した。

 アメリカでは経済の軍事化が激しく進んでいて、国家予算の約半分が軍事部門に向けられているそうです。

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新植民地主義

アフリカの旧宗主国であったイギリス、フランス、ベルギー、イタリア、あるいはドイツといったヨーロッパ諸国や、奴隷として多くの黒人を入れた米国とは異なり、日本とアフリカ諸国との関わりは極めて薄いですね。アフリカって何カ国あるのでしょう? 53カ国ですか? マグレブやエジプトを除くと48カ国でしょうか。ともあれ国数の多さが際立っていますので、国連の採決などの際に注目を集めています。一番注目してきたのは中国です。

11月4日、中国とアフリカ諸国42カ国首脳による「中国・アフリカ協力フォーラム首脳会議」が、北京で開幕されました。
参加国には人権問題や腐敗で知られる独裁国家も名をつらね、人権よりも資源囲い込みなど実利を重んじる中国外交の姿勢が明確に打ち出されたようです。中国にとってはアフリカの国々が別に民主化しなくとも人権が保護されなくとも、かまわないのでしょう。自分のとこも独裁だし、人権をきっちり守っていないし。
しかし、中国のインターネットの掲示板やブログでは、「中国は自国民よりアフリカ人の方が大切なのか」と怒りの声が満載のようです(苦笑)

中国の狙いⅠ:資源囲い込み
アフリカ最大の産油国で、世界でも第6のナイジェリア、天然ガスも世界第7位の資源大国です。そのナイジェリアで、中国国有企業が83億ドルで鉄道建設プロジェクトを受注。中国版ODAの窓口である中国輸出入銀行はナイジェリアに25億ドルを貸し、うち10億ドルが鉄道に当てられることが決まっています。さらにナイジェリア初の通信衛星「ナイジェリア1号」が3日発射。これはナイジェリアと中国の初の宇宙協力で、中国の衛星技術がまるごとつぎ込まれています。
さらに、中国は昨年5月に中国石油化工がナイジェリアの海上石油開発に5億ドル投資の協議書に調印。この春、胡錦濤国家主席のアフリカ歴訪の際、ナイジェリアから4つの油田採掘権(優先開発権)をもらって、関連設備に40億ドルを投資。今年は天然ガス開発への投資が本格化する見込みだそうです。

中国の狙いⅡ:アフリカ票(対台湾政策
もともと、中国のアフリカ外交は国連から台湾を追い出すことを目標に展開されていたんですね。そのためには、自国の国民が今よりもっと飢えているときから、対アフリカODAを続けてきました。国連など国際事務におけるアフリカ票を獲得するために・・・その甲斐あって、1971年、国連から台湾を追い出し、中国を代表する政権として中国人民共和国を認めさせたのです。

しかし、中国のアフリカ援助は、人権状況改善や民主化推進のカードとしてODAや債務減免を行っていた欧米の努力を無にする結果にもなり、欧米から「新植民地主義」「新帝国主義」などの批判が噴出しているそうです。
●「19世紀の帝国拡張政策がアフリカで再び起きている」(英紙ガーディアン電子版)
●「中国の『単刀直入』な投資政策が欧米の築いてきたアフリカとのきずなを損なっている」(同タイムズ電子版)。

日本だって言いたいことはありますよね。日本から延べ3兆3千億円以上のODAを受けている中国が、アフリカに莫大な援助をすると言うのですから。しかし、東シナ海のガス田問題で資源に対して貪欲である姿勢同様、アフリカの資源にも貪欲に事を進めている中国です。中国では未だに石炭が主流であり、それが公害問題ともなっています。近代化に必要な資源を大量に調達したいところでしょう。

首脳らが一人ずつ進み出て胡主席に握手を求める様子は、中国皇帝に謁見する朝貢国を連想させ、中国がアフリカの新たな“宗主国”であることを国内外に見せつけました。

中国企業が投資したザンビアの炭坑では低賃金で地元労働者が働かされ、7月に大規模な暴動が発生。中国企業の安価な中国製品がアフリカ市場に出回ったことで欧米や日本のODAで建てられた工場が倒産、失業者が逆に増えるという現象も起きているといいます。

さんざんODAを続けてきた日本に、責任はないの?

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